月: 2023年2月

ちはやぶる日本史を更新しました

ちはやぶる日本史を更新しました。「大飢饉で大くの餓死者が出る

大飢饉で大くの餓死者が出る

 「享保の飢饉」は,享保17年(1732)に畿内以西を襲った大飢饉で,天明・天保の飢饉と併わせて,江戸の三大飢饉と呼ばれています。
 餓死者はおよそ1万2千人,同じく餓死した牛馬は,1万4千匹にのぼりました。
 享保17年は,前年の冬以来天候が不順で,暖冬でしたが春になると雨の降る日が多く,夏になっても冷雨が続きました。その上,各地で洪水や,逆に水不足による田畑の荒廃が目立ちました。
 低温によって作物の成育は悪く,それに誘発されて虫害が起こったのです。飢饉の原因は,多くは虫害によるもので,作物の出来が例年の半作以下だった藩は,46藩に及んだといいます。虫害を起こした虫の種類は,『草間伊助記』によれば,
 「此虫,後に大きに相成りこがね虫の如く(中略),形ち甲冑を帯しるやうにありて,一夜の中(うち)に数万石の稲を喰ひ,田畑夥敷(おびただしく)損毛有之(そんもうこれあり),士民飢渇に及び,西国筋より五畿内大坂辺迄(おおさかあたりまで)道路に倒れ候もの数しれず……」
 とあります。また幕府の公式文書にも「蝗」の文字が頻出し,蝗害(こうがい)すなわち蝗(いなご)による虫害であったことが判ります。
 もっとも被害が大きかったのは伊予松山藩(15万石)で,それ以前5ヶ年平均で12万石を超える年貢収入があったのに対し,この年は皆無で,飢え死にしたもの3489人,斃死した牛馬は3097匹に及んだといいます。このため藩主の松平定英は,「備えが不充分であった」として,幕府への出仕を停止させられています。
 幕府の対応は素早く,すぐさま勘定所役人を現地に派遣し,勘定吟味役の神谷久敬を大坂へやって,救済の総指揮をとらせています。救援方法としては,被害のなかった東山,東海,北陸諸藩などの米を西国に回送するとともに,幕府自身も多くの救援米を送り,鹿児島藩など,蝗害のひどかった大名地に,それぞれの石高に応じて恩貸金を与えるなどです。この飢饉は大規模なものでしたが,幸いにして翌年は豊作であったため,一年で収まりました。
 しかし,この飢餓が社会に与えた影響は大きかったのです。享保18年正月26日,江戸で最初の打ちこわし「高間騒動」が起こります。本来江戸に入るべき米の一部が,救援米として緊急輸送されたため,困窮した日稼ぎなどの細民が,江戸の米問屋を襲ったのです。襲われたのは,高間伝兵衛の江戸日本橋店です。伝兵衛は,江戸米問屋八人組の筆頭で,かねてから,米の買占めなど暗躍していると噂のあった米穀商でした。
 また幕府は,享保19年正月,天領における定免破免条項を改訂し,同3月には諸国産物帳を令しています。それは丹羽正伯(しょうはく)に命じて諸国の産物を調べさせたもので,諸国に産する穀類はもちろん,すべての産物に及び,そのほとんどに「人食す」「人不食」「能書不知」など註釈が入っています。またその産物は,菌類,木類,魚類,鳥類,虫類,蛇類等あらゆる産物に及んでいました。また,享保17年12月,飢餓等によって社会不安が激化した場合,代官所の役人では対応できない非常に備えて,あらかじめ江戸に伺うことなく,近隣大名の兵力を借りることを認めるという布達も出しています。それまで諸大名は,幕府の許可なしには一兵も動かすことができなかったのです。なお,この飢餓を機に,害虫防除への関心が高まり,鯨油を用いてウンカを駆除する方法等が広まったのでした。

編集者のひとりごとを更新しました。

編集者のひとりごとを更新しました。「ベテルギウスの大きさは(  )の公転軌道と同じくらい

ベテルギウスの大きさは(  )の公転軌道と同じくらい

ベテルギウスは,冬の星座であるオリオン座の左上にある,赤っぽく見える星です。
この星は巨大で,その半径は何と太陽から木星までの距離に匹敵します。
つまり,ベテルギウスの大きさは,木星の公転軌道と同じくらいということです。
(公転軌道:惑星が太陽を中心に一周した際に描く円)

太陽から木星までの距離

太陽から木星までの距離は約7億5千万kmです。
これは光で約40分かかる距離です。新幹線(時速300km)だと約280年かかります。
道中を楽しみたいなどと在来線に乗ったなら1000年近くかかります。

木星

太陽から木星まで――在来線で1000年かかるこの距離で,ようやくベテルギウスの「半」径です。
ぶらり在来線ベテルギウス一周旅行に出かけようものなら,ざっと6000年かかります。
この一周旅行を終えるまでに,人は何回輪廻を繰り返せばよいのでしょうか。
日頃の行いによっては道中,畜生道に堕ちて獣や虫として生き死にを繰り返すかもしれません。

草をのぼるテントウムシ

もちろん,ベテルギウスは星なので球体です。
半径や外周の距離感ですら途方もないのですが,立体的な質量感となると…。
私には想像することすら難しいので,理数担当者にも聞いてみました。

ベテルギウスは脈動変光星といって,大きさが変化する星です。
また,最近の研究では従来の推定の3分の2程度のサイズであるとも言われています。
定まらないので,テスト問題には使えませんね。

――理数担当Nさん

テストにも収まりきらないスケールのようです。

このような天体を無数に内包するという宇宙の規模とは一体どのようなものなのでしょうか。
人知をはるかに超えた領域が目の前の夜空いっぱいに広がっていることに,
ただただ圧倒されるばかりです。

皆さんはいかが思われますでしょうか。ご意見いただけますと幸いです。
〈英語担当S〉

星空

#理科 #星 #畜生道