編集者のひとりごと

2024年の投稿

デジタルで作るアナログの音

みなさんは集中したいとき、図書館など静かな場所を選びますか?
それとも、カフェなど何かしら音がある環境ですか?

エアコンの音、誰かの足音、遠くで電車が走る音、なんの音なのか、どこから来ているのか、分からないような音。
そういった様々な音の中で、私たちは日々過ごしています。

普段意識をしないので、聞こえなくなって初めてその存在に気付く音もあるかもしれません。
先日、関東でも大雪になりましたが、雪が降ると「静かだなあ」と思いませんか?
これは、雪が様々な音を吸収してしまうので、私たちは普段より静かだと感じるのです。

そういった私たちを取り巻くアナログな音やノイズが、今デジタルの世界であえて作られている、ということをご存知でしょうか。

録音ソフトは、今急速に進化しています。
録音した音を切り貼りしたり、音程を調整したりするのはもちろん、一度聞いただけではデジタルとは気が付かないくらい精巧な楽器の音も出せるようになってきました。

さらに、よりアナログな音に近づけるために様々な工夫もされています。

例えば、デジタルでアナログのような音を出す方法の一つとして、ひとつひとつの音をちょっとずらして和音にする、という方法があるそうです。

個人でもオーケストラでも、
人が和音を出す際には全ての音を0.1秒の狂いもなく同時に出すことは不可能です。
しかし、そのズレが演奏者の個性となり、音の力強さや柔らかさ、表現につながります。

一方で、デジタルではそのズレが生じない、ある意味「正確な」和音を出すことができますが、その「正確さ」ゆえに音の個性が消えてしまうのです。

そこで、アナログの音に近づけるために、デジタルでもわざと音をずらすという方法がとられます。

さらに、より自然なアナログな雰囲気を出すためにあえてかすかなノイズを加えることもあるようで、
ソフトによっては、ピアニストが椅子を引くような音を入れることもできるとかできないとか・・・。

デジタルな音、アナログな音、その境界線は今後曖昧になっていきそうな気がしています。

色々と気になってきたので、
次回、音楽担当に詳しく話を聞いてみようと思います。

〈英語担当T〉

#音楽 #デジタル #アナログ #デジタルな音 #環境の音 #次回に続く