#音楽

デジタルで作るアナログの音

みなさんは集中したいとき,図書館など静かな場所を選びますか?
それとも,カフェなど何かしら音がある環境ですか?

エアコンの音,誰かの足音,遠くで電車が走る音,なんの音なのか,どこから来ているのか,分からないような音。
そういった様々な音の中で,私たちは日々過ごしています。

普段意識をしないので,聞こえなくなって初めてその存在に気付く音もあるかもしれません。
先日,関東でも大雪になりましたが,雪が降ると「静かだなあ」と思いませんか?
これは,雪が様々な音を吸収してしまうので,私たちは普段より静かだと感じるのです。

そういった私たちを取り巻くアナログな音やノイズが,今デジタルの世界であえて作られている,ということをご存知でしょうか。

録音ソフトは,今急速に進化しています。
録音した音を切り貼りしたり,音程を調整したりするのはもちろん,一度聞いただけではデジタルとは気が付かないくらい精巧な楽器の音も出せるようになってきました。

さらに,よりアナログな音に近づけるために様々な工夫もされています。

例えば,デジタルでアナログのような音を出す方法の一つとして,ひとつひとつの音をちょっとずらして和音にする,という方法があるそうです。

個人でもオーケストラでも,
人が和音を出す際には全ての音を0.1秒の狂いもなく同時に出すことは不可能です。
しかし,そのズレが演奏者の個性となり,音の力強さや柔らかさ,表現につながります。

一方で,デジタルではそのズレが生じない,ある意味「正確な」和音を出すことができますが,その「正確さ」ゆえに音の個性が消えてしまうのです。

そこで,アナログの音に近づけるために,デジタルでもわざと音をずらすという方法がとられます。

さらに,より自然なアナログな雰囲気を出すためにあえてかすかなノイズを加えることもあるようで,
ソフトによっては,ピアニストが椅子を引くような音を入れることもできるとかできないとか・・・。

デジタルな音,アナログな音,その境界線は今後曖昧になっていきそうな気がしています。

色々と気になってきたので,
次回,音楽担当に詳しく話を聞いてみようと思います。

〈英語担当T〉

#音楽 #デジタル #アナログ #デジタルな音 #環境の音 #次回に続く

歌えない音

イルミネーションがきらびやかになり
クリスマスソングが街中で流れる季節になりました。


クリスマスソングと言えば,誰のどの歌を思いつきますか?

マライア・キャリー?
アリアナ・グランデ?
山下達郎?

王道のフランク・シナトラやナット・キング・コールの歌う
クリスマスソングも素敵ですね。


ついつい,口ずさんでしまうクリスマスソングですが
先日,気持ちよくある曲を口ずさんでいたら
「なんか上手くいかないなあ」と思う瞬間がありました。


ある部分の音が分からなくなり歌が続かないのです。


特別高かったり,低かったりというわけでもなく,
元の曲を聴きながらだと歌えるのに
自分ひとりで歌おうとすると音が出てこない。


ピアノで音を探してみると,「それらしい」音は見つかります。

ただ,なんだか違う。



もちろん,歌手は音を外しているわけではありません。



ではこの音は?



あまりに気になったので,少し調べてみると
私がとれなかった音はどうも微分音らしい
という結論に至りました。



微分音とは?

普段,私たちに馴染みがあるのは,
十二平均律という,1オクターブを12等分した音です。


ピアノの鍵盤で分かれている音ですね。


ただ,これは1オクターブの音を便宜上12等分しているだけなので,
たとえばピアノの鍵盤にはない
「シとドの間の音」というものも存在するわけです。


つまり,「シとドの間の音」のような
平均律をもっと細かく分けた音が微分音とよばれる音です。


おそらく,私が音を再現できなかった理由は
平均律の音に慣れすぎていて
平均律では再現できない音(微分音)を
聞き取れず,再現できなかったから
ということのようです。



微分音は,平均律に吸収されてしまっているので
微分音に近い平均律の音で歌うこともできますが,
やはり微分音にすることで,微妙なニュアンスが加わって
その歌がぐっと良くなるような気がします。



音楽科担当にも聞いてみました。

   
   時代はさかのぼりますが,音楽CDが出始めたころ,
   ある人に「CDを聴いてみたが今までとなんだか違う,
   どちらかというと前の(アナログ)の方が良かった。
   自分がおかしいのかな」ときかれました。

   「くわしいことは専門家でないので説明ができませんが,
   アナログ音源をデジタル処理する際に容量の関係などで
   カットされる音があるみたいですよ。
   連続したもの(アナログ)と段階的なもの(デジタル)の
   違いみたいです」と答えたところ,納得してくれました。

   色と色との間には無限の色があるように,
   音と音との間にも無限の音がありますよね。

―音楽科担当Tさん



無限の音の中に,
デジタルでは再現できない美しさや心地よさがあるのかもしれません。

今年の冬はちょっと音を気にして過ごしてみようと思います。

歌えない音のイラスト

〈英語担当T〉         

#音楽 #クリスマス #クリスマスソング #微分音 #無限の音