#小説

Hope (  ) Eternal, Summer of Corruption, (  ) from Innocence, A Winter’s Tale

これらはスティーブンキングの小説作品の副題です。
主題とあわせると

Rita Hayworth and Shawshank Redemption-Hope Springs Eternal
Apt Pupil-Summer of Corruption
The BodyFall from Innocence
The Breathing Method-A Winter’s Tale

というタイトルで,
この4作品が1冊のペーパーバック本に収められており、
副題には四季を表すspring,summer,fall,winterが使われています。

1つめの作品は『ショーシャンクの空に』として,
3つめは『スタンド・バイ・ミー』として映画化さています。

私は『ショーシャンクの空に』が好きで,
学生時代にこの原作(英語版)を辞書を片手に読みました。

この原作の副題は
Hope Springs Eternal(希望は永遠に湧き出る)。

springには「春」という意味のほかに「湧き出る」という意味があります。

『ショーシャンクの空に』では,
過酷な状況でも「希望」を持ち続けようとする主人公が描かれていますが,
この副題は,希望がspring「湧き出る」のと「春」をかけているのですね。

3つめ『スタンド・バイ・ミー』の副題は
Fall from Innocence(純心から落ちる)。

fallには「秋」という意味のほかに「落ちる」という意味がありますね。

大人になるにつれ,いつしか童心を忘れてしまうことを,
fallを用いて表しているのでしょうか。

原作の小説は映画とはまた違った味わいがあります。
日本語訳版も出ていますので,
まだ読まれていない方はぜひ手に取ってみてください。
<英語担当S>

#英語 #小説

面白き こともなき世をおもしろく (  )ものは心なりけり

司馬遼太郎『竜馬がゆく』での高杉晋作の最期の描写をご紹介します。
結核の病状がいよいよ重くなった高杉が、辞世の句をよもうと筆をとります。

「面白き、こともなき世を、おもしろく」
辞世の上の句をよんだ。下の句に苦吟していると、看病していた野村望東尼が、
住みなすものは心なりけり」
と詠んだ。高杉はうなずき、
・・・面白いのう。
と言って静かに眠った。それが高杉の最期であった。

(文春文庫『竜馬がゆく』表記ママ)

天才革命家として破天荒な活躍をした高杉ですが、
27歳という若さで病没しました。
野村望東尼とは、高杉らの討幕運動を支援した幕末の女流歌人です。

私は詩歌の心得などはまったくありませんが、
高杉らしい「やんちゃ」な上の句に対して、
望東尼が優しく、かつ風雅に下の句を呼応させるという描写が印象的でした。

国語担当にも聞いてみました。

(彩る)ものは心なりけり でしょうか。
心持ち次第で極彩色の毎日が送れ…たらいいな、と思っております、はい。
「色取る」とも書けますが、個人的には「彩る」のほうが
字面が可愛くて好きです。

ちなみに「彩」は中学学習漢字ですが、
「いろど-る」は中学では学習しない読み方です。
無理やり国語担当ぽい豆知識を入れ込んでみました。

――国語科担当Kさん

編集者としては、
「面白き」「おもしろく」、
「上の句をよんだ」「と詠んだ」などの
閉じ開き表記の不統一も気になるところです。

一読者としてはこれも味に思えます。

皆さんはどのような下の句を思いつかれたでしょうか? ご意見いただけますと幸いです。
〈英語担当S〉

桜と鶯

#国語 #俳句 #短歌 #小説